どうもバズリーチです。
俺の寿命が正確にいつまでかは分からない。だが、平均寿命や今の健康状態を考えれば、あとどれくらい現役でいられるかは、なんとなく計算がつく。
これまでは、その「残り時間」の逆算の中で、何を成し遂げられるかを考えてきた。
だが、その計算方式は、すでに崩壊している。もう、これまでの定規は当てはまらない。
6時間が5分に凝縮される衝撃
これまで、自分でコードを書き、システムを構築してきた作業時間を思い出してみる。
かつて6時間かかっていた濃密な作業が、今はAIと共に歩む(又はAIだけ走らせる)ことで、長くとも30分、短ければ5分もかからずに終わってしまう。
手抜きをしているわけじゃない。思考のスピードに、実装が追いついてきたのだ。
「1時間が、かつての1日分」
「1日が、かつての12日分」
俺はサラリーマンではない。何かに没頭すれば、1日12時間は平気で画面と向き合う。もっと長いことだってザラだ。
その12時間をAIとフル回転させれば、俺は1日で「12日分」の人生を生きていることになる。
50代、残りの20年が「240年」に変わる
俺はすでに初老と言われる50代だ。
現役でバリバリ動ける時間が残り20年だとする。今までの感覚なら、それはただの「20年」だった。
だが、この「12倍速」の世界ではどうだ。
20年 × 12倍 = 240年。
俺はこれから死ぬまでに、江戸時代から現代まで続くような、とてつもない時間の積み重ねに相当する「成果」を出せる権利を手にしてしまったのだ。
かつて、偉大な先人たちが一生を捧げてようやく辿り着いた境地に、俺たちは数年で、いや数ヶ月でリーチできる。これは単なる効率化ではない。人類史上、初めて訪れた「生の密度のインフレ」だ。
SFの領域へ:加速の果てにある「無限の寿命」
だが、思考はここで止まらない。
もし、今の「12倍速」が、来年には「100倍速」になり、数年後には「1万倍速」になったらどうなる?
技術的特異点(シンギュラリティ)の先にあるのは、物理的な肉体の死すら無意味化する世界だ。
俺たちの意識や思考、創り出した成果がすべてデジタル化され、AIのネットワークに取り込まれた時、そこには物理的な「時間」の概念は存在しない。
1秒の間に、宇宙が誕生してから滅びるまでの時間をシミュレーションし、何世代もの「人生」を体験できるかもしれない。
それは、実質的な「無限の寿命」の獲得を意味する。
かつてSF小説の中でしか語られなかった「不老不死」や「デジタルへの昇華」が、今、俺の手元のターミナルの向こう側に、現実の選択肢として見え隠れしている。俺たちは、人類が数千年間夢見てきた、しかし決して到達できなかった「神の領域」の入り口に立っているのだ。
突如として現れた「神」と「凡人」の残酷な格差
しかし、この圧倒的な「希望」の裏側には、背筋が凍るような「恐怖」が張り付いている。
この「無限の寿命」と「神の如き創造力」を手に入れられるのは、一体誰だ?
AIを使いこなし、この「加速」の波に乗れる者と、そうでない者の間に生まれる格差は、もはや「経済格差」なんて生易しいものではない。それは「存在の格差」だ。
AIと共に「240年」、いや「無限」の時間を生き、星々を創り出すような存在と、物理的な「80年」の時間を、ただ消費して終わる存在。両者の間には、意志疎通すら不可能な、絶対的な深淵が横たわることになる。
それは、人類がかつて経験したことのない、最も残酷なディストピアかもしれない。
子供たちが生きていく、この「狂気」の未来
そして、俺は思う。
今、この世界に生まれてきた俺の娘たちは、一体どんな未来を生きていくのだ、と。
彼女らが大人になる頃、世界は今の俺が想像するよりも、はるかに「狂った」速度で加速しているだろう。
彼女らは、生まれた瞬間から「無限」の選択肢と、同時に「絶対的な格差」の恐怖に晒される。
彼女らに必要なのは、もはや「知識」や「技術」ではない。それらはAIが一瞬で提供してくれる。
必要なのは、この圧倒的な知性と時間の中で、自分自身が「何者であるか」を保ち続けるための、強靭な「精神」と、歪みのない「意志の純度」だ。
試されるのは「腕」ではなく「意志」
技術が変われば、悩みも変わる。
恐ろしいのは、体力の衰えではない。この無限に広がる可能性を前にして、「俺は何を創りたいのか」「この240年分の大時間を、何に捧げるのか」という、己の意志の純度が試されていることだ。
指先でコードを叩く時代は終わった。
これからは、AIという巨大な知性のオーケストラを指揮する「タクト」を握る時代だ。
「もう50代だから」と守りに入るか。
「あと240年分も遊べる」と目を輝かせるか。
俺は後者を選ぶ。
命の灯火が見え始めた今、皮肉にも俺の人生は、かつてないほど濃密で、長く、そして自由な冒険へと漕ぎ出した。
さあ、240年分の未来を、今から作り始めよう。
それではまた
バズリーチ_海外で生きる「note」 